年中楽しめる海のミルクと呼ばれるカキですが、寒い時期に最も美味しくなると言われています。
しかし、新鮮でも食中毒になる可能性があるので、食べたいけど遠慮してしまう人もいるのではないでしょうか。
そこで、お腹を壊すことなく、カキを楽しむためにはどのような点に注意すべきなのかを紹介します。
カキってどんな貝なの
カキは海のミルクと言われますが、これはミルクのような味わいということではなく、ミルクのように栄養が豊富だからという理由です。
カキは、必須アミノ酸をすべて含んでいるだけでなく、カリウムや亜鉛などのミネラルを豊富に含んでいます。
ちなみにカキを英語でオイスターですが、実際は日本人の思っているカキとオイスターには違いがあります。
オイスターは、ちょっと形がいびつでザラザラしている二枚貝のことを指すので、カキ以外の貝も含まれてしまうのです。
なお、真牡蠣は10月から3月が旬と言われているのに対して、岩牡蠣は5月から8月が旬です。
夏と冬に旬があるので、年中楽しめることもカキの魅力と言えるでしょう。
しかし、カキは旬の時期だからと言っても、食中毒になる可能性があるので注意が必要です。
どうしてカキは食中毒になりやすいの?
カキはプランクトンを食べて生きていますが、海中のプランクトンと一緒にウィルスを体内に取り込んでしまうと言われています。
十分に加熱すれば食中毒になることはありませんが、生で食べることが多いカキが特にお腹を壊しやすいというわけです。
ホタテなども生で食べますが、ホタテは貝柱を刺身で食べるため安全です。
カキはフライや鍋など加熱をした料理も美味しいので、食中毒が怖い人は加熱して食べましょう。
カキの食中毒にはどんなものがあるの?
カキを食べて食中毒になる場合は、原因となるのは「ノロウィルス」「貝毒」「腸炎ビブリオ」の3つだとされています。
その中でも多いのがノロウィルスです。ノロウィルスはワクチンがなく、冬に流行します。
24時間から48時間の潜伏期間を経て、吐き気や下痢、腹痛などの症状が1~2日続き、軽い発熱を伴うこともあるようです。
水分と栄養をしっかりと取って症状が収まるのを待ちましょう。
なお、令和元年のノロウィルスの感染総数は212件で、そのうち二枚貝が原因のものは13件です。
全体の5%程度ですが、カキを食べるときは十分に用心すべきでしょう。
どうしてもカキを生で食べたいときは
新鮮なカキなら生で食べても大丈夫だと考える人も多いと思いますが、残念ながらカキを生で食べられるかどうかは鮮度では決められているわけではありません。
実は、生食用のカキかどうかは産地で決まっていて、ノロウィルスが少ない海域で採れたものが生食用と認められます。
または、紫外線で殺菌して安全に食べられるものも、生食用のカキとして出荷されます。
カキにレモンは必須!3つの秘密
生カキだけでなく、カキフライなどのカキ料理にもレモンが添えられることが多いと思いませんか。
鳥の唐揚げなどのようにレモン汁をかけたら、美味しくなるということも理由のひとつでしょう。しかし、それ以外にも理にかなった理由があるのです。
臭みを消す
まずひとつ目の理由が、カキの臭みを消すというものです。
カキが好きな人の中にも、磯の香りはちょっと苦手という人もいるでしょう。レモンを搾ることで、ほど良く臭みが消えて美味しく食べることができます。
殺菌作用を利用する
2つ目は、レモンの殺菌作用を利用するということです。
飲食店では十分に食中毒に気をつけていますが、どれだけ殻をきれいに洗っていたとしても完全に菌を取り除くことはできません。
そこでレモンをかけることで、少しでも殺菌しておこうとうわけです。
吸収効率を高める
最後の理由が、吸収効率を高めるためです。海のミルクと言われるほど栄養が豊富なカキですが、そのまま食べても鉄分は15~30%ほどしか吸収されないと言われています。
せっかく栄養が豊富なのに、吸収されなくては意味がありません。鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると効率良く吸収できます。
これら3つの理由から、カキにはレモンが添えられているのです。美味しく食べられるだけではなく、合理的な理由があるからこそのレモンなので、嫌いでなければレモンを搾って食べることをおすすめします。