ポコッと突き出た見た目が目を引くデコポンですが、実は基準を満たさなければデコポンを名乗ることができない柑橘類の中のエリートなのです。
12月から4月にかけて楽しめるデコポンは美味しくて、健康にも良い魅力的な果物ですので、今年はこたつでミカンの代わりにデコポンを楽しんでみてはいかがでしょうか。
デコポンの魅力は?
デコポンと言えば独特な見た目を思い浮かべる人も多いでしょう。
形はもちろん気になりますが、とっても甘くて適度な酸味のある美味しい果物です。
また、果汁が多いことも特徴のひとつで、そのまま食べるだけでなく、ジュースやデザートの材料としても活躍します。
デコポンの優れている部分は、おいしさだけではありません。
じょうのう(果肉を包む薄皮の部分)が薄く、タネがほとんどないので、非常に食べやすい果物です。
また、皮も柔らかいので剥きやすいことも嬉しいポイントと言えるでしょう。
デコポンのおいしさの秘密
実は、デコポンは厳しい基準をクリアしたものだけが名乗れる、柑橘系の果物におけるエリートなのです。
その基準は、糖度が13以上で酸度は1.0%未満というもので、甘いだけでなく適度に酸味があって飽きにくい味わいとなっています。
ちなみに、一般的な柑橘系の果物は糖度が10くらいですから、デコポンは柑橘系としてはかなり甘いことがわかります。
なお、糖度13の果物には桃があり、イチゴが12~13、リンゴが13~15です。デコポンはちょっとリッチな果物と言えるでしょう。
デコポンと名乗るためには?
糖度と酸味の他にも、デコポンを名乗るための条件があります。
それは、日本園芸農業共同組合連合会(略称は日園連合)の加盟している農業団体から出荷されているということです。
2つの基準を満たしていないものは、不知火(シラヌイ)という名称で販売されます。
もしかしたら、スーパーや果物屋さんで、デコポンのような見た目なのに別の名前が付いている果物を見たという人もいるかもしれません。
それは糖度が足りなかったなどの理由があるというわけです。
ちなみに、糖度や酸度に基準が定められているのは、日本の果物の中ではデコポンだけです。
デコポンは一定以上のおいしさがあるという証しと言えるでしょう。
デコポンの旬
デコポンは12月から4月に出荷される果物です。
一番早く出荷されるのは、暖房設備のあるハウスで栽培されたデコポンで、お歳暮としても利用されます。
1月になると暖房を使っていないハウスで育てられてものが出荷され始め、2月になるとハウスを使わない露地ものが出回ります。
そして、4月になると完熟デコポンが出荷され始め、旬は4月とされているようです。
しかし、デコポンである限り、いつでも糖度は13以上ですから、12月から4月まで美味しいデコポンを楽しめるでしょう。
美味しいデコポンの選び方
いくらデコポンは糖度が13以上だとわかっていても、できるなら少しでも美味しいデコポンを買いたいものです。
素人でも簡単に美味しいデコポンを見分けることができるなら、知りたいのではないでしょうか。
実は、良いデコポンを見分けることは難しいことではなく、ポイントになるのは、重さと柔らかさです。
糖度が高いデコポンほどずっしりとした重さがあるので、同じくらいの大きさのデコポンなら思いものを選びましょう。
また、皮の柔らかさでも判断することができて、柔らかいものは酸味が落ち着いていて美味しいと言われています。
誰でも見分けられるポイントなので、是非、デコポンを買うときは試してみてください。
デコポンは栄養も豊富
デコポンは美味しいだけでなく、栄養価が高いことも魅力です。
まず、デコポンには豊富なカロテンが含まれています。
カロテンはガンの予防に効果があると言われていて、加えてお酒やタバコが好きな人におすすめの抗酸化物質です。
また、ビタミンCは風の予防に、クエン酸は疲労の回復に効果があります。
それでなく、じょうのう(薄皮)に含まれるペクチンは整腸作用があるので、便秘やお腹の調子が悪いときにもおすすめの果物です。
家族の誰にとっても嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
デコポンの豆知識
デコポンと言えば、頭がポコっと付き出しているユニークな形状です。
しかし、デコポンの中には他の柑橘系の果物のように丸いものがあります。
これは、作り方によると言われていて、糖度と酸度の基準を満たしてれば、形に関係なくデコポンと呼ばれるのだそうです。
また、ときどき酸っぱいデコポンもあるようです。
デコポンは酸度1.0%未満のはずなので、酸っぱいと感じることはないと思うでしょう。
しかし、センサーで調べることができるのはクエン酸だけなので、他の酸味のある物質が多いと酸っぱく感じてしまうことがあると言われています。