全国ご当地ラーメン 定番からちょっと珍しいものまで紹介

※本ページはプロモーションが含まれています

日本各地には数多くのご当地ラーメンが存在します。ラーメンにあまり詳しくない方でもよく耳にしたことはあると思います。

北は北海道から南は沖縄県まで、また、日本三大ご当地ラーメンといわれる有名なものから、ラーメン好きの人以外には馴染みのない一風変わったものまでご紹介します。

※ご当地ラーメンは各地に存在し数が膨大なため、すべてを紹介することはできませんので予めご了承ください。

ご当地ラーメンとは

ご当地ラーメンとは、主に昔からそれぞれの地方に根付いたラーメンで、地域の名称がついているものが多いです。日本三大ご当地ラーメンと言われている札幌ラーメン、喜多方ラーメン、博多ラーメンなどがわかりやすい例です。

ご当地ラーメンの中には、その地域の特色が現れているものもあります。例えば長浜ラーメンは、元々は市場関係者向けであり、競りの合間に食す人のために提供時間を短くするため、素早く茹でられる極細麺が使用されたという説があります。

もはや定番!各地のご当地ラーメンを紹介

それでは各地のご当地ラーメンを紹介します。有名なものはインスタントラーメン、カップラーメン、冷凍ラーメンなどの形で商品化されているものも多くあるので、気になったご当地ラーメンがあればぜひ購入して食べてください。

北海道・東北

北海道:札幌味噌ラーメン

札幌味噌ラーメン

札幌味噌ラーメン

写真:ようこそ札幌観光写真ライブラリー(https://www.sapporo.travel/sightseeing.photolibrary/)より引用

言わずと知れたご当地ラーメンで、濃厚なスープと中太の縮れ麺が特徴的なラーメンです。ネギやチャーシューといった一般的なトッピングの他、玉ねぎやもやしをトッピングするのが定番となっており、バターやコーンなど他のラーメンではあまり見ないようなトッピングを乗せることも多いです。

味噌味が代表的なので「札幌味噌」と書きましたが、札幌ラーメンとしては醤油味や塩味もあります。また札幌味噌ラーメンは日本初の味噌ラーメンと言われています。日本三大ご当地ラーメンの1つです。

青森県:津軽煮干しラーメン

津軽煮干しラーメン

津軽煮干しラーメン

写真:青森県観光情報サイトAmazing AOMORI(https://aomori-tourism.com/)より引用

鰯の焼き干し・煮干しを使って出汁をとった醤油味のスープが特徴のラーメンです。津軽地方のご当地ラーメンですが一口に煮干しラーメンと言っても、あっさりした醤油味の王道系と、煮干しだけでなく豚骨と鶏ガラなどを合わせてコクを追加した濃厚煮干し系の2つがあります。

岩手県:大船渡さんまらーめん

大船渡さんまらーめん

大船渡さんまらーめん

写真:大船渡市観光サイトおおふなとりっぷ(https://www.city.ofunato.iwate.jp/site/ofunatrip/)より引用

全国有数のさんま水揚げ量を誇る大船渡市のご当地ラーメンです。さんまらーめんの定義として「大船渡産のさんまを使用」「大船渡市を宣伝する」「値段は一律850円」とかなり大雑把なので、味も見た目も店舗ごとに大きく異なります。

さんまをスープに使用したり、すり身団子にしてトッピングしたり、さんまのみりん干しが丸ごとトッピングされていたりと、様々な形のあるご当地ラーメンです。

山形県:赤湯辛味噌ラーメン

赤湯辛味噌ラーメン

赤湯辛味噌ラーメン

写真:筆者撮影

味噌ラーメンに特製の辛味噌を溶かして食べるラーメンです。山形県赤湯(現南陽市)産の唐辛子を使用しニンニクの効いた辛味噌が特徴的で、濃厚な味噌スープとよく絡むモチモチ触感の縮れ太麺を使用しています。

味噌ラーメンですが起源は札幌味噌ラーメンから来たものではなく、売れ残ったスープに味噌を足して味噌汁代わりに飲んでいたものを試行錯誤した結果誕生したものとなります。

福島県:喜多方ラーメン

喜多方ラーメン

喜多方ラーメン

写真:筆者撮影

こちらも有名なあっさり醤油味のラーメンで、日本三大ご当地ラーメンの1つです。麺は平打ち熟成多加水麺と呼ばれるコシのある縮れ太麺で、一般的な麺と比べ水分を多く含んだ麺を使用しています。スープは豚骨をベースとし、煮干しも使用している店舗が多いです。また麺とスープには飯豊山からの伏流水や栂峰渓流水が使用されています。

関東

茨城県:スタミナラーメン

スタミナラーメン

スタミナラーメン

写真:観光いばらき(https://ibarakiguide.jp/)より引用

スタミナラーメンの特徴はなんといってもたっぷりの具材が入った甘辛あん醤油のボリュームです。キャベツ、レバー、カボチャ、ニラ、人参などを炒めてとろみをつけ、醤油ラーメンの上に乗せます。

またスタミナラーメンは「冷やし」もあり、冷水でしめたモチモチの太麵の上に直接熱々のあんを乗せるものです。「ホット」と「冷やし」を選べるのもスタミナラーメンの特徴の1つです。

栃木県:佐野ラーメン

佐野ラーメン

佐野ラーメン

写真:佐野らーめん会公式ホームページ(https://sanoramenkai.jp/)より引用

出流原弁天池の湧き水を代表とした良質な佐野の水を使用している、あっさりしたスープのラーメンです。スープは基本的に醤油味ですが、塩、味噌、胡麻なども存在します。現在でも青竹で打った手打ち麺を提供している店舗があり、麺はコシのある縮れ麺です。

昭和初期に繊維業が盛んな佐野市ではラーメンの出前を利用することが多く、毎日食べても飽きないようにあっさりした味のラーメンになったと言われています。

千葉県:勝浦タンタンメン

勝浦タンタンメン

勝浦タンタンメン

写真:熱血!勝浦タンタンメン船団(https://katsutan.jp/)より引用

勝浦タンタンメンは普通の胡麻系の担々麺とは異なり、醤油ベースのスープにラー油を多く使用しています。みじん切りした玉ねぎと挽肉をラー油と唐辛子で炒めてトッピングされることが多く、店舗によってニンニク、ニラ、ネギが入っています。

漁業が盛んな勝浦で冬に漁業関係者の冷えた体を温める料理として定着されてきたご当地ラーメンです。

東京:八王子ラーメン

八王子ラーメン

八王子ラーメン

写真:八王子市公式シティプロモーションサイト(https://www.city.hachioji.tokyo.jp/citypromotion/index.html)より引用

鶏ガラ醤油のあっさりスープに中細麺にたっぷりのみじん切りの玉ねぎをトッピングしたラーメンです。スープ自体はあっさりした味ですが、スープ表面はラードで覆われています。

ラードが加わることで玉ねぎの辛みを抑え、スープの熱も加わることで玉ねぎの甘みを引き出しています。

神奈川県:横浜家系ラーメン

横浜家系ラーメン

横浜家系ラーメン

写真:Tokyo Day Trip:神奈川県公式観光情報サイト(https://trip.pref.kanagawa.jp/ja)より引用

こちらも有名な、横浜発祥のご当地ラーメンです。豚骨と鶏ガラから出汁をとった豚骨醬油スープに、ストレートの太麺、トッピングにチャーシュー、ほうれん草、海苔を乗せたラーメンです。

スープの味の濃さ、脂の量、麺の硬さをサービスで調整してくれる店舗が多いのも特徴です。また、ライスも一緒に食べることを推奨しています。

中部

新潟県:燕背脂ラーメン

燕背脂ラーメン

燕背脂ラーメン

写真:筆者撮影

スープ表面を覆い隠すほどの背脂が特徴的な、燕市のご当地ラーメンです。煮干しベースの醬油スープに極太麺、トッピングには玉ねぎとチャーシュー、メンマが基本です。

燕市は金属産業が盛んで職人たちが出前でラーメンをとることが多く、その際に麺が伸びにくく腹持ちのいい太麺、ラーメンが冷めないように背脂でスープ表面をコーティングする工夫をしたことで誕生したと言われています。

富山県:富山ブラックラーメン

富山ブラックラーメン

富山ブラックラーメン

写真:とやま観光ナビ(https://www.info-toyama.com/)より引用

真っ黒なスープが特徴的な富山のご当地ラーメンです。太麺に見た目通り塩辛い醬油スープと粗挽き胡椒の効いたパンチのある味で、その濃い味からご飯のおかずにもなるラーメンです。スープはただ塩辛いだけでなく、豚バラチャーシューを煮込んで脂を溶かしスープにコクを出しています。

長野県:王様中華そば

王様中華そば

王様中華そば

写真:日本ご当地ラーメン総選挙(https://www.ramenshow.jp/gr/)より引用

2010年に惜しまれつつも閉店した長野市の老舗ラーメン店の味を、信州麺友会が復活させたご当地ラーメンです。鶏ガラベースの懐かしい醤油味スープに、スープによく絡む平打ちの太麺で、ささがきに切られたネギがスープの熱で甘みを出し、黒コショウが効いた味になっています。

人気店の味を復活させたメニューですが決して1店舗でしか味わえないものではなく、長野県内の複数のラーメン店で食べることができます。

岐阜県:高山ラーメン

高山ラーメン

高山ラーメン

写真:筆者撮影

高山市のご当地ラーメンで、「飛騨高山ラーメン」や「飛騨ラーメン」とも呼ばれることも。鶏ガラや魚介、野菜、椎茸などでとった和風だしの醤油スープに、細い縮れ麺のラーメンです。

一般的なラーメンはどんぶりでかえしと出汁を合わせてスープにするのに対し、高山ラーメンでは寸胴や鍋で取ったスープに直接醤油などを入れて煮込むことで作られています。

愛知県:台湾ラーメン

名古屋台湾ラーメン

名古屋台湾ラーメン

写真:筆者撮影

名前こそ台湾とついていますが、台湾発祥のラーメンではなく名古屋市で生まれたご当地ラーメンです。スープは鶏ガラ醤油ですが、麺の上からひき肉とニラをたっぷりの唐辛子と炒めたものを乗せているため激辛になっているのが特徴です。名前の由来は台湾人である店主が台湾の担仔(タンツー)麺をもとに辛みを加えるなどの改良をして発案したためとされています。

辛さを抑えたものは「台湾ラーメンアメリカン」(アメリカンコーヒーが由来)というメニュー名になるそうで、もはやどこの国の料理なのか混乱しそうですね。

近畿

京都府:京都ラーメン

京都ラーメン

京都ラーメン

写真:食べログ(https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260303/26017870/)より引用

京都ラーメンは3種類に分類されますが、いずれもかなりこってり濃厚なラーメンです。

豚骨や豚肉ベースの濃口醬油味スープのもの、鶏ガラと野菜をドロドロになるまで煮込んだスープのもの、鶏ガラベースのスープに大量の背脂を加えたものの3種類です。スープは3系統に分かれていますが基本的に麺は中太ストレート麵で、九条ネギを使用しています。

大阪府:高井田系ラーメン

高井田系ラーメン

高井田系ラーメン

写真:国道メシ(https://kokudoumeshi.jp/)より引用

鶏ガラと昆布を使用した醤油味のスープに極太ストレート麺の、大阪市や東大阪市を中心としたご当地ラーメンです。

高度経済成長の時期に鋳鉄工場や町工場が多くあった大阪市の東部や東大阪市で、労働者の要望でどんどん味が濃くなっていき、現在の醬油の主張が激しい濃い味に至ったと言われています。

兵庫県:播州ラーメン

播州ラーメン

播州ラーメン

写真:にっぽんまんなか紀行(西脇市観光物産協会)(https://www.nishiwaki-kanko.jp/)より引用

西脇市を中心に食べられているご当地ラーメンですが、最大の特徴はスープが甘いこと。スープは鶏ガラや豚骨をベースにしながら玉ねぎやリンゴを加えて出汁をとり、さらに氷砂糖を入れて作る少し甘めの醤油味のスープになっています。

細めの縮れ麺にチャーシューやネギなどのシンプルなトッピングが乗った、後味あっさりのラーメンです。

奈良県:天理スタミナラーメン

天理スタミナラーメン

天理スタミナラーメン

写真:奈良グルメ図鑑(https://nara-gourmet.com/)より引用

茨城のスタミナラーメンとは異なり、とろみはなく、辛みが加わった奈良のご当地ラーメンです。豚骨や鶏ガラで出汁をとったスープに細麺、そして白菜を中心としたたっぷりの具が乗っているのが特徴です。

白菜、にんにく、ニラ、人参、豚肉などを炒め、辣醤や豆板醤などで辛みをつけ、麺の上からどんぶりいっぱいに乗せて提供されます。

和歌山県:和歌山ラーメン

和歌山ラーメン

和歌山ラーメン

写真:和歌山県公式観光サイトわかやま観光(https://nara-gourmet.com/)より引用

和歌山ラーメンは和歌山市中心のご当地ラーメンですが、2種類に分類されます。

1つは濃い茶色の見た目のわりにあっさりしている醤油系、もう1つはコクのあるまろやかな豚骨醬油系です。どちらもストレート麺で、トッピングにはチャーシューやネギなどオーソドックスなものの他にカマボコが乗っています。

中国・四国

鳥取県:鳥取牛骨ラーメン

鳥取牛骨ラーメン

鳥取牛骨ラーメン

写真:鳥取市観光サイト【公式】(https://www.torican.jp/)より引用

全国的にも珍しい、牛骨で出汁をとっている鳥取県中西部のご当地ラーメンです。醤油味か塩味で、麺は中太縮れ麺を使用することが多いです。

牛独特の香りや甘み、旨味のあるスープは牛骨のコクがありながら飲み干してしまうほど後味がさっぱりしています。スープだけでなくチャーシューにも牛肉を使用している店舗もあります。

広島県:尾道ラーメン

尾道ラーメン

尾道ラーメン

写真:筆者撮影

鶏ガラでとった出汁と瀬戸内産の小魚でとった魚介出汁を合わせた醤油味のスープに、豚背脂ミンチが大きな塊で浮いているのが特徴です。麺は中細平打ち麺の店舗が多いです。最大の特徴である柔らかい背脂ミンチはスープにコクを与え、コリコリした触感を味わえます。

またこの背脂ミンチには店舗ごとに個性が出ており、揚げたりネギで香りづけしたりなどの工夫がされています。

徳島県:徳島ラーメン

徳島ラーメン

徳島ラーメン

写真:徳島県観光情報サイト阿波ナビ(https://www.awanavi.jp/)より引用

徳島ラーメンはスープの色で3種類に分類されます。豚骨ベースに薄口醤油で味を調整したあっさりの「白系」、豚骨や鶏ガラと野菜を煮込んだ「黄系」、白系に濃口醤油を使用した豚骨醤油の「茶系(黒系)」の3種類です。

トッピングは店舗にもよりますが、チャーシューではなく甘辛く似た豚バラ肉を乗せ、卵はゆで卵でなく生卵を落とすのが主流になっています。また徳島ではラーメンをご飯のおかずとしている人が多く、白ご飯を注文できる店舗が多いです。

愛媛県:今治ラーメン

今治ラーメン

今治ラーメン

写真:【公式】今治ラーメン|瀬戸内海産の魚介を使った愛媛県今治市のご当地ラーメン(https://imabariramen.com/)より引用

瀬戸内の鯛、イリコをはじめとして小魚等で出汁をとったあっさり魚介スープの塩ラーメンです。

地元の食材にこだわっていて、伊予地鶏のチャーシュー、今治特産のすまき、来島海峡の海苔、島レモン等がトッピングされています。麺はあっさりめのスープに合う細めの縮れ麺、そして塩はもちろん地元の名産である伯方の塩を使用しています。

高知県:鍋焼きラーメン

鍋焼きラーメン

鍋焼きラーメン

写真:須崎市ホームページ(https://www.city.susaki.lg.jp/)より引用

高知県須崎市発祥のご当地ラーメンは鍋焼きうどんならぬ鍋焼きラーメンです。最大の特徴は土鍋(ホーロー、鉄鍋)で提供されることです。鶏がら醤油ベースのスープ、少し硬めの細めのストレート麺に、親鳥の肉、ネギ、生卵、ちくわ(すまき)などがトッピングされています。

生卵はすぐに崩したり、崩れないように鍋底に沈めて最後に食べたり、はたまた鍋の蓋を器代わりにして卵を移し、すき焼きのように麺を絡めながら食べたりと、様々な楽しみ方があります。

九州

福岡県:博多豚骨ラーメン

博多豚骨ラーメン

博多豚骨ラーメン

写真:筆者撮影

日本三大ご当地ラーメンのうち最後に紹介するのがこちらの博多豚骨ラーメンです。白濁した豚骨スープにストレートの細麺が特徴です。

細麺であるため麺が伸びやすく、そのため大盛がなく、代わりに替え玉システムを導入している店舗が多いです。また麺のゆで加減を指定して注文することができます。辛子高菜や紅ショウガなどで味変をしながら食べるのが一般的です。

長崎県:長崎ちゃんぽん

長崎ちゃんぽん

長崎ちゃんぽん

写真:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html)より引用

長崎市のご当地ラーメン長崎ちゃんぽんは他のラーメンと製法が大きく異なります。中華鍋で具材を炒め、鶏ガラや豚骨などでとったスープを入れ、最後に特製の太麺を入れて煮立てて作ります。具材は様々ありますが、豚肉やはんぺん、キャベツ、ネギ、もやしなどの野菜、イカ、エビ、貝などの魚介類を入れるのが一般的です。

中国の福建料理である湯肉絲麺(とんにいしいめん)をルーツとしてできた料理だと言われています。

熊本県:熊本ラーメン

熊本ラーメン

熊本ラーメン

写真:熊本県観光連盟(https://kumamoto.guide/)より引用

熊本ラーメンは、同じ豚骨ラーメンでも博多とはまた違った味わいのラーメンです。スープは豚骨だけでなく鶏ガラや野菜もブレンドして煮込み、麺は中太ストレート麵が主流です。また、にんにくチップとマー油を加えることで香ばしくなっています。他にはトッピングとしてチャーシュー、ネギ、海苔、きくらげを乗せるのが一般的です。

宮崎県:宮崎辛麺

宮崎辛麵

宮崎辛麵

写真:【公式】宮崎市観光サイト(https://www.miyazaki-city.tourism.or.jp/)より引用

延岡市発祥の宮崎辛麺は宮崎県民にとって定番のB級グルメの1つです。鶏ガラベースににんにくと唐辛子が効いたスープに、こんにゃく麺と呼ばれるコシの強い麺が特徴です。

弾力の強さからこんにゃく麺と呼ばれていますが、蕎麦粉と小麦粉で作られておりこんにゃくが入っているわけではありません。具には溶き卵、ニラ、ひき肉を使用するのが定番です。

沖縄県:沖縄そば

沖縄そば

沖縄そば

写真:沖縄生麺協同組合 | 地域団体商標(沖縄そば)取得団体(https://oki-soba.jp/)より引用

沖縄県のご当地ラーメンは農山漁村の郷土料理百選に選ばれた沖縄そばです。スープは主に豚と鰹出汁が使われ、豚バラを甘辛く煮た三枚肉、かまぼこ、紅ショウガがトッピングしてあります。麺は地域ごとに平麺、太めの縮れ麺、細めのストレート麺の3種類に主流が分かれます。

ちなみにソーキそばは、沖縄そばのなかでも三枚肉の代わりにスペアリブをトッピングしたもののことです。

ちょっと珍しいご当地ラーメン4選

1.味噌カレー牛乳ラーメン

味噌カレー牛乳ラーメン

味噌カレー牛乳ラーメン

写真:青森県観光情報サイトAmazing AOMORI(https://aomori-tourism.com/)より引用

名前のインパクトが非常に強い味噌カレー牛乳ラーメンは青森県のご当地ラーメンの1つです。名前だけ聞いたことあるという方もいるでしょう。味噌ラーメンをベースにカレーと牛乳が加わり、さらにバターも乗っているということでこってり濃厚な味わいになっています。

2.冷やしラーメン

冷やしラーメン

冷やしラーメン

写真:筆者撮影

最近少しずつ有名になってきましたが、まだまだ知名度が低い山形県の冷やしラーメン(冷たいラーメン)です。普通のラーメンでは動物性の脂を使用するため、スープを冷やすと脂が固まってしまいますが、脂が固まらないようにするなど工夫に約1年かけて開発されたのがこの冷やしラーメンです。

店舗によって夏季限定で提供しているか一年中提供しているかは異なりますので、夏以外に訪れる際はSNSやHPなどでチェックしてください。

3.串木野まぐろラーメン

串木野まぐろラーメン

串木野まぐろラーメン

写真:いちき串木野市総合観光案内所(https://ichiki-kushikino.com/)より引用

鹿児島県のご当地ラーメンにまぐろラーメンというものがあります。マグロの頭を使用したスープという時点で珍しいのですが、もっと驚くべきはトッピングです。なんと熱々のラーメンの上にマグロの刺身を乗せているんです。

生魚はちょっと…という方には、刺身でなくマグロの竜田揚げをトッピングしている店舗もあります。

4.かつラーメン・トンカツラーメン

かつラーメン

かつラーメン

写真:秋田県小坂町ホームページ(https://www.town.kosaka.akita.jp/index.html)より引用

とんかつをトッピングしたラーメンというのが実は全国にいくつか存在します。

まずは秋田県のかつラーメンです。スープは醤油、味噌、塩、ピリ辛と店舗ごとに違いがあり、さらにはカツカレーラーメンなんてものもあります。肝心のトッピングであるとんかつも、シンプルにとんかつが加わったものから、卵でとじたカツを乗せたものまで様々です。

次に岡山県のトンカツラーメン(カツラーメン、カツそばとも)。岡山県のトンカツラーメンもスープは醤油、豚骨など店舗ごとに違いがあり、またカツに関しても、とんかつではなく鶏カツを使用している店舗もあります。

そして高知県の味噌カツラーメンです。その名の通り、味噌ラーメンにとんかつがトッピングされたものです。店舗によってはトッピングのとんかつが、大きめのカツを切ったものではなく、一口サイズのカツを複数乗せているものもあります。

山形市はラーメン消費額日本一

新庄鶏もつラーメン

新庄鶏もつラーメン

写真:新庄市ホームページ(https://www.city.shinjo.yamagata.jp/index.html)より引用

2023年の1世帯あたりのラーメン消費額について、2022年に続いて2年連続で山形市が日本一になりました。2位は2021年に1位だった新潟市でした。

そんな山形県ですが、ラーメン消費額が大きいだけあってご当地ラーメンも多く存在します。前述した赤湯辛味噌ラーメンや冷やしラーメンの他にも、魚介系スープにワンタンもよく合う酒田ラーメン、醬油スープに鶏もつがトッピングされた新庄のもつラーメン、あっさり醤油スープと細打ち縮れ麺に牛チャーシューなど店舗の個性が出るトッピングの米沢ラーメン、蕎麦屋で食べることができ、そばつゆベースの醬油スープを使用した鳥中華などです。

さらに山形県はラーメン店舗数も10万人あたり57.92軒とこちらも日本一ですが、これは2位の新潟県の37.73軒を大きく引き離す店舗数の多さとなっています。

また消費額2位は新潟市だったわけですが、新潟県もご当地ラーメンが豊富なことで有名です。新潟あっさり醤油ラーメン、新潟濃厚味噌ラーメン、燕背脂ラーメン、三条カレーラーメン、長岡生姜醤油ラーメンの5つで新潟五大ラーメンと呼ばれています。

なぜ山形ではこんなにラーメンが人気なのか

山形県もともと蕎麦処であった山形でしたが、1923年の関東大震災で横浜中華街から移ってきた中国人がラーメンを広めたのが始まり、というのが通説となっています。すでに麺文化があった山形ではすぐに馴染み、地域に根付いていったと言われており、現在でもラーメン店以外の食堂や蕎麦屋でありながら、ラーメンをメニューに入れている店は少なくありません。

また山形では、昔からお客様へのおもてなしとして蕎麦やラーメンを出前でとる習慣があり、地域に密着しているお店では今でも出前に対応していることが多いです。出前文化の影響もあり、山形でラーメンは根強い人気があるのでしょう。

さらに先述した冷やしラーメンの存在もあり、暑い夏にもラーメンを食べる人が多いというのも理由の1つです。冷やしラーメンだけでなく、そばつゆベースの鳥中華や肉中華も冷やしで注文できる店舗が多いので、季節に関係なくラーメンを食べる人が多いと考えられます。

ご当地ラーメンが存在しない県はあるのか?

山梨源水ラーメン

山梨源水ラーメン

写真:PORTA 山梨県内の情報を届けるポータルサイト(https://www.porta-y.jp/)より引用

日本全国各地に存在するご当地ラーメンですが、実は最近まで唯一ご当地ラーメンが存在しない県がありました。それが山梨県です。

しかし地元有志による山梨ご当地ラーメン協会が発足され、2023年11月、遂に「やまなし源水ラーメン」が提供開始されました。源水ラーメンはスープと麺に山梨県の水を使う、山梨県産の淡水魚等のアラや魚をスープに使用する、トッピングも1つ以上山梨県産のものを使用する等、山梨県産の食材を積極的に使用することを共通の原則としています。

また源水ラーメンの他に、こちらも2023年に誕生した「甲州地どりラーメン」があります。甲州地どりラーメンはご当地ラーメン総選挙2023に参加するにあたって、ラーメン店の店主たちが協力して新しく開発したとのことです。甲州地どりをベースにした塩味のスープに、チャーシューにも甲州地どりを使用しています。

山梨県以外で見てみると、あまり有名ではないものもありますが各都道府県にご当地ラーメンは存在するため、2024年現在ではご当地ラーメンが存在しない都道府県は無いと言えるでしょう。

現地まで行けないけど食べてみたい!という方に

ここまで様々なご当地ラーメンを紹介しましたが、実際に現地まで行くのは難しいという方も多いのではないでしょうか。しかし今は便利な時代になったもので、通販などでご当地ラーメンを購入することができます。

ふるさと納税

1つ目はふるさと納税です。ふるさと納税と聞くと地域の特産品として海産物やお肉、果物などを思い浮かべる方もいるかと思いますが、ご当地ラーメンの返礼品もあります。1杯あたりの金額は高く見えるかもしれませんが、ふるさと納税自体がお得な制度なので、ぜひ選択肢の1つとして考えてみてください。

今回ご紹介したご当地ラーメンでも、喜多方ラーメンや尾道ラーメン、博多ラーメンなど多数のご当地ラーメンが返礼品の対象となっています。

通販

2つ目は通販での購入です。冷凍、生麺、乾麺など様々な状態で販売されています。中には有名店舗のご当地ラーメン詰め合わせセットもありますので、どのラーメンが自分の好みかわからないけど食べてみたいという方は、通販で詰め合わせセットの購入も検討してみてはいかがでしょうか。

カップ麵

3つ目はカップラーメンです。有名なご当地ラーメンは既にカップラーメンとして商品化されているものが多数あります。スーパーやコンビニに売っていますので、お手軽にご当地ラーメンを味わいたい方はカップラーメンもおすすめです。

好みに合わせたおすすめのご当地ラーメン

麺の太さとスープの濃厚さから、ご当地ラーメンをざっくり分けると以下のようになります。ぜひ参考にしていただき、好みのご当地ラーメンを見つけてください。
ざっくりラーメン表

ご当地ラーメン総選挙2023の優勝は酒田ラーメン

酒田ラーメン

酒田ラーメン

写真:日本ご当地ラーメン総選挙(https://www.ramenshow.jp/gr/)より引用

2023年10月5日~9日の5日間にわたってご当地ラーメン総選挙というものが開催され、その結果は1位酒田ラーメン(山形県)、2位札幌ラーメン(北海道)、3位甲州地どりラーメン(山梨県)でした。酒田ラーメンは日本三大ご当地ラーメンと言われる札幌ラーメン、喜多方ラーメン、博多ラーメンを抑えての1位です。

酒田ラーメンは山形県で日本海側に位置する酒田市のご当地ラーメンで、煮干しやトビウオ、昆布などの魚介出汁をベースとした醤油味のスープに、一般的な麺よりもプルプルモチモチした触感の多加水麺、そして極薄皮のワンタンがトッピングされたラーメンです。

ここでも山形県が出てくるあたり、山形県民のラーメン熱は相当なものだと伺えます。

まとめ

今回いくつかご当地ラーメンを紹介しましたが、日本各地にはまだまだご当地ラーメンは数多く存在します。今回触れなかった都道府県にもご当地ラーメンが存在しますし、紹介した都道府県内にも、また別のご当地ラーメンがたくさん存在します。

さらに、ご当地ラーメンと言うほどの知名度はないが地元の食材を前面に押し出したといったラーメンも各地にあり、まさに「ここでしか味わえない」というラーメンは数え切れません。旅行や出張などで訪れる機会があれば、ぜひ本場でご当地ラーメンを食べてみましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事