ちょっとした贅沢を味わえる蟹ですが、どうやって保存するのかと悩む人も多いのではないでしょうか?
せっかく手に入った蟹でも、冷凍方法を間違えた結果、美味しく食べられなくなってしまったら本当に残念としか言いようがありません。
そこで、当記事では蟹の冷凍保存について詳しく解説していきます。
解凍後に安心して美味しく食べられるように、ぜひ一読いただければと思います。
蟹は鮮度が大事
蟹を美味しく食べるためには、鮮度が非常に大切です。
蟹は傷みやすい食材であり、傷むと身はたちまち黒く変色、鼻をつくようなツンとしたニオイを発します。
美味しい蟹が目の前にあるとすぐ食べたいと考える気持ちはよく分かります。
特に通販などで購入し、手元に届いた時は勢いで全部解凍してしまうかもしれません。
しかし万が一、蟹が余ってしまったら大変です。
最悪の場合、蟹が傷み食べられなくなってしまうので、すぐに食べず先に冷凍するようにしましょう。
蟹を美味しく保存する方法とコツを紹介
蟹には、茹で蟹、生蟹、冷凍蟹などいくつかの種類があります。
美味しく保存する為には、蟹の状態を見極め適切な冷凍方法を取ることが大切です。
目の前にある蟹が、茹で蟹、生蟹、冷凍蟹のどれにあたるのか?
蟹の形そのままの「姿」なのか、それとも切ってある「切」なのかによっても冷凍方法は異なります。
茹で蟹の場合
茹で蟹は、「姿」と「切」どちらでもラップを使って保存することができます。
まず「姿」の場合ですが、ラップを2重、もしくは3重にして水分が抜けないように蟹を包みます。
そして包んだ蟹をビニール袋に入れ、冷凍庫に保存してください。
この方法で茹で蟹を保存すると、3日ほど保存することができます。
次に「切」ですが「姿」と同じ冷凍方法で保存しましょう。
保存期間は、「姿」より若干長くなり、冷凍庫の開閉回数にもよりますが4日ほど保存できます。
万が一、ラップがない時は代用品として新聞紙やキッチンペーパーを使っても大丈夫です。
生蟹の場合
生蟹は、そのまま保存すると瞬く間に色が黒く変色してしまいます。
今食べることができない時、余ってしまった時などはすぐに塩ゆでして、茹で蟹と同じ方法を用いて冷凍保存するようにしましょう。
塩ゆでしても長期保存はできません。
前項と同様に、冷凍保存は4日程度を目安としてください。
冷凍蟹の場合
買ってきた冷凍蟹の場合は、そのまま冷凍しておけば大丈夫です。
食べる時は、全部解凍するのではなく、食べる分だけ解凍するようにしましょう。
再冷凍は鮮度と共に味が落ちるのであまりオススメできません。
残った蟹は、ラップ等で包み袋に入れて冷凍すれば美味しい状態で1ヵ月ほど冷凍保存することが可能です。
冷凍蟹の保存については、本来1年くらいは十分可能ですが、使用する冷凍庫が業務用ではなく家庭用の為、1ヵ月程度を目安としておきましょう。
冷凍しすぎた蟹はどうなるの?
「冷凍しておけば、どんな食材でも長持ちする」という考えを持っている人も多いのではないでしょうか?
こういった考えは決して間違いではありません。
しかし、食材の鮮度を考えると一概に冷凍しておけば大丈夫ともいえないのです。
特に蟹は劣化しやすい食材なので、なるべく早めに食べることをオススメします。
冷凍焼けしてしまう
蟹を長期間冷凍すると、冷凍焼けする可能性が出てきます。
冷凍焼けとは、冷凍状態が長期間になることで食材に含まれる水分が抜け、その抜けた部分に空気が入り込み、次第に油脂が酸化する現象です。
蟹を冷凍する場合は、空気が入らないようにしっかり密封しておきましょう。
冷凍焼けすると味も落ちる
一度冷凍焼けしてしまうと、食材の鮮度も落ち酸化が進むので蟹本来のうみまも落ちてしまいます。
仮に冷蔵庫を使った解凍をしても、水分が抜けてしまっているので身はパサパサ、美味しい状態とはいえません。
もちろん、食べられない訳ではありませんが、落ちた鮮度やうまみは再生不可能です。
冷凍焼けする前に、適切な解凍方法で解凍して食べるようにしましょう。
冷凍した蟹を上手に解凍する方法を紹介
適切な冷凍方法を用いても、解凍方法を間違えたら美味しく食べることができなくなってしまいます。
特に蟹は、解凍に時間がかかる上に傷みやすいといった特徴をもっています。
美味しい状態をキープできる解凍方法をしっかり把握しておきましょう。
冷蔵庫でゆっくり解凍する
冷凍庫に保存している蟹の最適な解凍方法は、冷蔵庫に移しゆっくり解凍することです。
じわじわ解凍することで鮮度を維持、うまみを残しながら解凍することができます。
あくまで目安となってしまいますが、蟹の種類ごとの解凍時間は以下の通りです。
蟹の種類 | 部位と解凍までの目安 |
ズワイ蟹 | 姿(約18時間)、足(約12時間) |
毛蟹 | 約24時間 |
タラバ蟹 | 姿、切足(約24時間)、足の未カット(約12時間) |
※冷蔵庫の開閉度合いなどによって解凍時間は異なります。
蟹の保存と解凍については、
- 保存→鮮度維持の為急速冷凍
- 解凍→鮮度やうまみ維持の為冷蔵庫でゆっくり解凍(生蟹を除く)
と覚えておくと良いかもしれませんね。
ただし、生蟹の扱いには要注意です。生蟹はすぐに色が黒くなるので、流水で急速解凍するようにしましょう。
急ぎの場合は流水解凍をする
どうしてもすぐ解凍したいという時、そして生蟹の場合は、流水で解凍することもできます。
流水による解凍を行う時は、蟹を袋に入れて濡れない状態にしておきましょう。
間違っても、蟹に直接水を当てないようにしてください。
直接水に触れてしまうと、蟹の状態が悪くなりうまみなども流れ落ちてしまいます。
この方法を用いると、流水の温度にもよりますが、7~8分前後で解凍可能です。
また、流水解凍は、解凍するまでの時間が短いので、食べる直前を狙うようにしましょう。
電子レンジで解凍しない
解凍時間が短いとはいえ、電子レンジを使った解凍はオススメできません。
急速解凍すると、解凍と同時にうまみも外に出てしまいせっかく調理しても、パサパサの食感になってしまいます。
どうしても早く解凍したい時は、流水で解凍するようにしましょう。
解凍せず調理するのも避けよう
解凍せずに調理することはオススメできません。
なぜなら、そのまま調理すると水分と一緒に蟹のうまみも失われてしまうからです。
- 帰宅が遅く調理する時間がない人
- もともとせっかちな性格の人
は要注意です。
せっかく適切な冷凍方法を用いても、解凍で失敗したら意味がありません。
美味しく食べる為には、せめて半解凍までは調理せずに待つようにしましょう。
まとめ
蟹は、とても美味しい食材である反面、傷みやすいという特徴をもっています。
しかし、だからといって「残しちゃいけない!」と思い、無理矢理食べても楽しい食事にならないですよね。
まずは、余ることを想定し適切な冷凍方法で即冷凍、あとはなるべく早めに解凍し美味しく蟹を召し上がってください。