「おせちでなぜ黒豆を食べるの?」
「レンコンとか数の子を入れることに意味あるの?」
お正月に欠かせないおせち料理!
お母さんが手作りしているご家庭もあれば、高級おせちを注文するご家庭もありますよね!
でもおせちは重箱にぎっしりと詰まっているけれど何種類くらい入っているのか気になりますよね。
実はたくさんあるおせちに入っている具材には、それぞれに意味があるんです!
一品一品の意味を知り、重箱に願いと一緒に料理を詰めましょう♪
おせち料理を食べる意味とは?まずはその歴史を知っておこう
おせちは本来、お正月などの季節の節目や節句のお祝いに神様にお供えする供物料理でした。
歴史は奈良時代にはじまり、中国から「節句」という概念が入ってきたところで季節の変わり目を祝う習慣がはじまったのです。
季節の変わり目には祝いがあり、この祝いのことを宮中で「節会(せちえ)」と呼んで神様にお供えものをしていました。
これがおせち料理の始まりだといわれています。
その後、季節の変わり目で祝う節句のうち、一番重要な年のはじめを祝うお正月のお供え料理のことを「おせち料理」と呼んでお正月にのみおせちが食べられるようになりました。
また、日持ちする料理が多いのは、神様を迎える際には物音をたてないように、火を使わないように静かに過ごすようにと言われていたため、おせち料理を前もって作っておき、神様をお迎えしたといわれています。
他にも、お正月くらいは女性が炊事から解放されて休めるようにという意味もあります。
お正月はお母さんも家事を一休みして、おせち料理を食べながら、家族全員でゆっくりと過ごすのが良いですね。
おせち料理の種類とそれぞれの意味は?
おせち料理には沢山の種類がありますが、それぞれには意味や由来があります。
どんな願いが込められているのかを知ることで、おせち料理をより楽しむことができるでしょう。
代表的なおせち料理の意味やいわれを見ていきましょう。
黒豆
黒色は魔除けや邪気を払う色とされており、厄払いの意味があります。
他にも、「まめ」に働く、「まめ」に暮らすという語呂合わせから無病息災や、黒豆にシワができるまで煮立て、シワが寄るまで長生きするようにという長寿の願いも込められています。
元々、「まめ」という言葉には丈夫や元気という意味があるため、健康祈願の意味も込められています。
数の子
ニシンの卵である数の子は、一腹に3万~10万と卵の数が多いことから「多くの子に恵まれますように」という意味があり、子宝と子孫繁栄を願う縁起の良い食材とされています。
またニシンは「二親」と漢字で当てることで二親健在を願う意味もあります。
田作り・ごまめ
カタクチイワシの甘露煮のことで、カタクチイワシを田植えの肥料にしていたことから「田作り」と呼ばれるようになり、五穀豊穣を願う料理とされています。
また、カタクチイワシの稚魚を沢山使う料理のため、子孫繫栄の意味も込められています。
れんこん
れんこんには複数の穴が開いているため、「未来が見通せる」「見通しが良くなるように」ということから、明るい1年でありますようにという願いが込められています。
また、れんこんは種が多いことから「多産」という意味もあり、縁起が良いとされています。
伊達巻き
巻物に似ているため、知識が増えるようにという学問成就の意味や文化の繁栄を願う料理とされています。
地域によっては甘い伊達巻きではなく、だし巻き卵を入れるところもあります。
栗きんとん
「栗金団」と漢字で書かれることから金色の団子という意味があり、綺麗な黄金色のため金運を呼ぶ料理とされています。
そのため、金運上昇や商売繫盛などの願いが込められています。
他にも、「勝ち栗」という言葉があることから勝負運や勝利の意味もあります。
たたきごぼう
ごぼうは地中深くに細く、長く、真っ直ぐ根を張ることから、家や家業が根付いて安定するという願いが込められています。
他にも、ごぼうは古くから薬として使われていたことから、健康祈願や長寿の意味もあります。
鯛(たい)と鰤(ぶり)
鯛は「めでたい」にかけて、鯛の姿焼きはお祝いやおせち料理の定番料理です。
また、七福神の恵比寿様が持っていることから縁起物とされています。
鰤(ぶり)は出世魚である鰤は稚魚から成魚になるまでに何度も名前が変わるため、立身出世を願う縁起物とされています。
海老
丸く曲がった腰や長いひげは長寿を象徴するとされています。
腰が曲がるまで長生きしようという意味が込められています。
また、綺麗な赤色は魔除けとしての意味もあります。
紅白なます
根菜である大根と人参は地中に根を張ることから、家や家業が安定するという願いが込められています。
また、紅白の水引に見えることから縁起が良いとされています。
紅白かまぼこ
かまぼこは日の出を象徴とする食べ物とされています。
紅はお祝いのめでたさや魔除けを表し、白には清浄の意味があります。
煮しめ(筑前煮)
色々な具材を一緒に煮込むことから、家族円満の意味が込められています。
また、使われる具材は根菜など縁起の良い食材が使われることが多いです。
蛤(はまぐり)・昆布巻き・里芋
蛤の貝はピッタリと合うものがひとつしかないため、夫婦円満の食材とされています。
また昆布巻きはニシンを昆布で巻き煮込んだ料理で、「子生(こぶ)」や「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから子孫繁栄、不老長寿の縁起物とされています。
また、ニシン(二親)にも二親健在の願いが込められています。
最後に里芋は、種芋を植えると多くの子芋が付くことから、子宝に恵まれるようにという願いや子孫繁栄の意味が込められています。
おせち料理の種類は20種類から30種類
先ほどもおせちの代表的な料理をいくつか紹介しましたが、おせち料理の種類は全部で何種類あるのか気になりますよね。
おせち料理の種類や品数は地域により異なりますが、家庭で作る場合には20~30種類を作りお重へ詰める場合が多いです。
また、最近は40種類以上も入ったおせち料理や和洋折衷・洋食などのおせち料理も販売されているため購入する家庭も増えてきています。
おせち料理を重箱に詰めよう!詰め方や順番は?
「おせち料理はどうしてお重に詰めるの?」
「お皿に置くのはダメなの?」
そんなことを思う人も多いかもしれませんね。
実は、重箱に詰めることで「幸せが重なりますように」という願いが込められています。
また、重箱に詰める際には段ごとに詰める種類が決まっています。
重ねた時に1番上になる壱の重から順番に詰め方を見ていきましょう。
壱の重《祝い肴・口取り》
1番上になる壱の重には「祝い肴」と「口取り」を詰めます。
祝い肴は関東と関西で異なり、下記の3種類が祝い肴となります。
◆関東…黒豆・田作り・数の子
◆関西…黒豆・田作り・たたきごぼう
他にも簡単につまむことのできる伊達巻きや栗きんとん、紅白かまぼこ、昆布巻きなどの口取りを壱の重に詰めましょう。
弐の重《焼き物》
弐の重には「焼き物」を詰めます。
鯛の姿焼きや鰤の照り焼き、海老などの縁起の良い海の幸の焼き物が多く入りますが、鶏肉を使った鳥松風などの焼き物もこの弐の重に詰めることになります。
三段重の場合には、弐の重に酢の物も一緒に詰めましょう。
参の重《煮物》
参の重には筑前煮や煮しめなどの「煮物」を詰めます。
縁起の良いごぼうやニンジンなどの根菜が多く使われ、沢山の食材が使われることから、家族円満の意味が込められています。
与の重《酢の物》
与の重には日持ちのする「酢の物」を詰めます。
壱~参の重までご馳走が続いたので、酢の物でお口直しという意味があります。
紅白なますや菊花かぶなどの酢の物を詰めるのですが、三段重の場合には焼き物と一緒に酢の物を詰めるようにしましょう。
五の重《控えの重》
神様から授かった福を詰めるため、空っぽにしておくのが正式な使い方ですが、家族の好きな料理や洋食・中華を詰めたり、多めに作った補充用のおせち料理を五の重に入れておく家庭も多いようです。
五の重は各家庭で好きな料理を詰めると良いですね。
食べる時は祝い箸を使おう!
おせち料理を食べる際には、両方の先端が細くなっている祝い箸を使って食べるようにしましょう。
両口箸とも呼ばれる祝い箸は、一方は人が、もう一方は神様が使うとされており神様と共に食事をするという意味があります。
また、折れにくく、邪気を払うとされている柳の木を使った箸で縁起が良いためお祝いには欠かせない箸です。
まとめ
華やかなおせち料理には沢山の願いが込められています。
古くからの決まり事も大切ですが家族全員で1年の始まりをお祝いしながらおせち料理を楽しみましょう。
また、家族の好きな料理を入れたりと家庭ならではのおせちも良さそうです。
最近では洋食や種類が豊富なものなど様々で、通販などでも簡単に豪華なおせちが購入できるため、おせち料理を作ったことがない方でも手軽におせちが楽しめますね。