
冬になると食べたくなる食材の代表であるカニですが、値段が高いため気軽に食べるのは難しいですよね。
「もっと値段が安ければ気軽に食べられるのに」「なぜカニって他の海産物と比べて高いの」と疑問に思ってしまいますよね。
実はカニが高級食材なのには理由があるので、価格が高い理由やカニについて知識を見ていきましょう。
カニとは
そもそも、私たちは「カニ」と一括りに呼びますが、カニの中にもいくつかの種類に分類されます。
また、カニごとに味の違いや旬の違いなど、食べるうえで知っておきたい知識もあるので、詳しく見ていきましょう。
市場に出回っているカニの種類
一般的に食用のカニとして市場に出回っているものは、以下の3種類があげられます。
カニの種類 | 特徴 |
---|---|
タラバガニ | 見た目はカニですが、実はヤドカリの仲間 身が大きく食べごたえがある |
毛ガニ | オホーツク海でよく獲れるため、北海道産が多い 旬以外の季節でも販売されているので、年中食べることができる |
ズワイガニ | 紅ズワイガニや本ズワイガニなどの種類がある サイズが大きいほど高級品として取り扱われる |
また、カニの旬は冬のものが多く、11月から2月の間が漁獲量が多く価格も安くなりやすいです。
カニの栄養成分
カニは非情に低カロリーかつ高タンパク質な食品であるため、健康に良いとされています。
また、亜鉛や銅、ナイアシンなどのミネラルやビタミンも豊富に含まれているので、食品から栄養を摂取したい人にもおすすめです。
主な栄養成分は以下の通りです。
成分名 | 含有量(100g中) |
---|---|
タンパク質 | 13.9g |
亜鉛 | 2.6mg |
銅 | 0.35mg |
ナイアシン | 8.0mg |
カロリー | 63kcal |
茹でると赤くなる理由
生のカニを購入したことない人は驚くかもしれませんが、実や茹でる前のカニは黒に近い色をしており赤くはありません。
なぜ茹でた後に赤くなるのかというと、アスタキサンチンという成分が関係しています。
カニの中にあるアスタキサンチンという成分が、赤色の色素を持っているのですが、この成分はタンパク質と引っ付いていると緑色に近い色素に変わってしまいます。
そして、カニを茹でることでアスタキサンチンとタンパク質が分離して、本来の赤色の色素を取り戻すのです。
カニが高いワケ
さて、ここからは本題である「カニが高い理由」について解説していきます。
カニにもいくつか種類があり、どの種類を選択するかによって価格帯も大きく変わってきますが、全体的に他の魚介類よりも相場は高いです。
気軽にカニを購入できない大きな理由である価格が高い理由を見ていきましょう。
カニの相場
価格が高い理由の説明の前に、カニの相場がどの程度なのか確認していきます。
それぞれ、カニの脚1キロの相場を表示しています。
カニの種類 | 相場 |
---|---|
タラバガニ | 8,280~17,000円 |
毛ガニ | 6,980~14,800円(姿) |
ズワイガニ | 2,980~6,980円 |
※楽天市場のおすすめ上位より
最も安いズワイガニでも、3,000円からとかなりの高価格な相場となっています。
B級品や訳あり品であれば、安いものもありますが、逆に甲羅や姿が欲しい場合はさらに相場は高いです。
カニの値段が高い理由
カニはそもそも他の魚介類と比較すると、漁が大変であるため値段が高めでした。
しかし、最近は以下の様な理由からさらに他の魚介類との値段の差が開いています。
- カニの漁獲高が減っている
- カニの生存率が低い
- カニの成長がゆっくりである
- 輸入量が減った
これらの理由をそれぞれ見ていきましょう。
カニの漁獲高が減っている
カニの漁獲高は1980年代が最大で、10万トンを超える漁獲量がありました。
しかし、年々漁獲高は減少傾向にあり、2016年には3万トン以下になってしまいました。
カニ自体の生息が減ってしまった可能性もありますが、他にも国際的に漁獲可能な量が制限されてしまったのも原因にあります。
カニの生存率が低い
カニの価格が高い理由には他にも、大人になるまでの生存率が低い点という理由もあります。
カニが大人になるまでの期間に多くのカニは他の種族や同じカニ同士に食べられてしまいます。
また、エサや生息できる地域も限られているため、養殖を行うことも難しく、天然の繁殖を待たなければならない現状があるのです。
カニの成長がゆっくりである
カニの成長は他の魚介類に比べて緩やかである点も、価格が高くなる理由です。
カニは最終的な大人になるまで、平均的に6~7年の年月が必要となりますが、これは他の魚介類と比較すると長めといえます。
例えば、身が大きくて成長に時間のかかりそうなブリでも、一般的に養殖を開始して2~3年で出荷されるサイズに成長します。
先ほどの生存率と併せて、大人になるまでの成長がゆっくりである分、天然のカニが大きくなる確率が低くなる原因です。
輸入量が減った
国内での漁獲高が減っているだけではなく、海外からの輸入量が減っているのも、カニの値段が高騰している理由のひとつです。
カニの主な輸入先はロシアですが、ロシアでの密漁規制の影響から漁獲量が減ってしまい、年々輸入量も減少しています。
また、中国でのカニの需要も高まっているため、日本への輸入分が減っているという世界的な背景もあります。
今後は高くなることはあっても安くなる可能性は低い
カニの値段が高い理由を紹介してきましたが、どれもすぐに解決するものではありません。
このため、今後カニの値段が高くなることはあったとしても、安くなる可能性はかなり低いです。
年々価格が高くなる傾向は今後も変わらない可能性が高いため、「安くなるまで待とう」とは考えない方がよいかもしれません。
カニを買う場所選びのポイントと気を付けたいこと
カニが高級品であるので、購入するときにはできる限りよいものを選びたいです。
そこで、カニを買うときに気を付けたいことを購入場所ごとに紹介していきます。
スーパー、通販、市場ごとに自分の利用するものをみてください。
スーパー
「すぐにカニが食べたい」という人であれば、スーパーでの購入がお手軽でおすすめです。
さらに、スーパーであれば現物をその場で確認しながら購入ができるので、自分の納得がいく商品が買えるというメリットもあります。
また、「1キロだと多すぎる……」という人の場合、少量での購入ができるため、食卓によって調整ができます。
スーパーで買う時の注意点
スーパーで購入する時には、購入する時期を特に気を付けてください。
特に12月から年始にかけては、カニの需要が一気に高くなるため、価格がかなり高騰します。
もしも、年末年始に安くカニを食べたい場合は、早めに購入して冷凍しておくことをおすすめします。
通販
時間に余裕がある人は通販でカニを購入することをおすすめします。
スーパーなどの小売店で購入するよりも価格を抑えつつ、十分な量のカニを購入できる点がメリットです。
また、欲しいカニの種類や産地などのこだわりがある人は、自分が欲しい商品をじっくり選ぶことも可能です。
通販サイトによって特徴もあるので、複数のサイトを見比べてから希望の商品を選択してみてください。
通販で買う時の注意点
通販で購入するときには、紹介されているページと届いた内容が違うという可能性がある点に注意が必要です。
悪質な通販サイトの場合、サイトの画像やレビューと実物が大きくかけ離れているケースもあり、トラブルに発展することもあります。
このようなトラブルに巻き込まれないためにも、カニの販売実績があり、現地に店舗がある店舗を利用をおすすめします。
また、産地や商品詳細についてしっかり確認して、希望の商品かを確認しておきましょう。
市場
日本海側、もしくは北海道の近くに住む人は、直接市場にカニを買いに行くというのもありです。
市場であれば、生のカニを購入できるので、新鮮なカニを買って帰ることも可能です。
また、市場によっては店舗の人と交渉をして、価格を下げてもらえるかもしれません。
市場で買う時の注意点
市場でカニを購入する場合は、市場までの距離が近いかどうかが大切です。
買ってその場で持ち帰りたい場合、クーラーボックスなどの準備をしていなければいけません。
このため、遠出をしてまで買うというのは、交通費なども考えるとあまり現実味がないです。
また、市場で販売されているカニの中にも、ロシア産などの輸入物も含まれているため、国産のものが欲しい人は気を付けてください。
買うときのカニの選び方
カニを買うときには、価格や種類以外にも選ぶポイントがいくつかあります。
ここでは、カニを購入するときのポイントについて確認していきましょう。
カニの部位から選ぶ
カニを購入するとき、ポーションやセクションなど、ふだん聞かない単語が商品紹介で書かれています。
この様な単語はカニの部位を指す言葉で、理解しておかないと「思った商品とは違う」と戸惑ってしまうかもしれません。
ここでは、ポーション、セクション、ラウンドという3部位の解説をします。
ポーション
ポーションとは、カニの脚肉、特に殻をむいた状態のものを指します。
すでに殻がむけているため、カニすきやカニしゃぶといった食べ方をする人におすすめです。
殻はついていないので、殻ごと茹でたい人は購入しないように気を付けてください。
セクション
セクションはカニの肩から脚、爪の部分を指します。
甲羅以外の部分はついているため、「とにかく身の部分を多く食べたい」という人におすすめです。
逆にカニみそが食べたい場合や甲羅からだしを取りたい人は、選ばないようにしてください。
ラウンド
ラウンドは部位ごとに分けられておらず、丸ごと販売されていることを指します。
あまり使われる単語ではありませんが、ワタリガニや毛ガニを買うときにときどき使われていますので、初めて買うときには気を付けてください。
産地からカニを選ぶ
カニを買うときには産地も気を付けてください。
カニの主な産地は、「カナダ・アラスカ」、「ロシア」、「日本」で、以下のような特徴があります。
産地 | 特徴 |
---|---|
カナダ・アラスカ | ズワイガニやタラバガニの産地 漁獲量が多いため価格が安く、身が大きい |
ロシア | 大型のズワイガニの産地 国産よりも身が大きいズワイガニが取れるため、食べごたえ重視の人におすすめ |
日本 | ズワイガニや毛ガニの産地 価格は高めだが、鮮度が非常に高く身が締まった甘いものが食べられる |
価格を重視する場合は、海外産のものがおすすめですが、贈答用や鮮度の高いものが欲しいときは国産を選ぶとよいでしょう。
まとめ
カニは成長するまで時間がかかり、養殖も難しいため、他の魚介類と比べるとどうしても値段が高くなってしまいます。
また、世界的にも需要が高まっているため、今後価格が落ち着く可能性も低いです。
ただし、産地や部位、購入時期を工夫することで、比較的安い価格でカニを食べることもできます。
品質が悪いものを選ばないように、通販を利用する場合は評価の高いお店を選び、商品内容をしっかり読むようにしてください。